170503

言論の自由を脅かすものには敢然と筆で立ち向かってゆきたい。30年前の5月3日、朝日新聞が散弾銃を持った男に襲われ、記者二人が殺傷された。亡くなった記者と遺族の無念は報道に身を置くすべての者に伝わる。事件の公訴時効成立を受けて作家の辺見さんが社会全体を覆う重たい空気を論評にかいた。犯人が反日朝日は50年前にかえれと迫り、朝日は戦前には戻らないと脅しを拒否した。その言葉は真に実行されたのか。上っ面の言葉でなく、闘えと1人の記者として重く受け止める。

170504

寄り添うという言葉の本来の意味は体が触れるほどぴったりとそばに寄るである。一朝一夕にできる距離感ではないが、昨今、手軽な政治用語になっている。被災地に関する政治家の発言の不祥事の火消しによく使われるようになっている。被災地が仕事場である復興庁が遠い東京にあり、大臣が視察に出張してくること自体、寄り添えない理由ではないか。新任の吉野復興相には現場で作業着を着て声を集めてほしい。

170424

つらい出来事や悲しみを乗り越えて生きていくためには、夢を持って前に進んでいこうというメッセージをこめたミュージカルの公演が始まった。慶長遣欧使節団が出航した二年前に慶長津波仙台藩を襲った。被災からの歳月の短さに使節派遣団は被災地復興策だったとも考えられる。そうした説に想を得たミュージカルとなっているが、宮城県内の子供たち一万人を招待する計画がある。一人でも多くの子供たちに観劇を機に大きな夢を持ってほしい。これは、観劇に携わる全ての人の願いだ。

170423

東京電力福島第一原発の構内で仕事をしている人々は大半の区域を防護服なしで歩く。凄惨な戦場のようだった原発にも日常がようやく戻りつつある。しかし、原子炉建屋の内側には溶融燃料が手つかずで残されており、廃炉への作業は40年続くといわれている。廃炉のため働く第一原発の隣で、いまだ帰還困難区域を抱え無人に近い街がある。どちらも、原発事故の終わらぬ現実である。

170421

今、世間では第三の将棋ブームといわれている。将棋が関わっている映画が相次ぎ公開され、将棋の最年少プロ棋士藤井四段が連勝記録を更新中で注目を浴びている。山形県の将棋駒組合も、いい駒を作って将棋ブームを後押しするつもりでいる。

170420

山本地方創生担当相が文化学芸員の仕事ぶりについて、文化財の説明や案内が不十分だと指摘した。ただ、そもそも学芸員の仕事は、調査研究である。そこに集中することで展示物の価値がより高まり、訪れた方へのサービス向上につながる。

170416

昨年起きた熊本地震で南阿蘇村を走る南阿蘇鉄道が10の駅を結んだが、地震後に再開できたのは5駅分のみ。残りの復旧費の目処はたっていない。6つ目の駅である長陽駅にカフェがあり、そこの店主は駅でイベントを催したり、SNSで南阿蘇村や南阿蘇鉄道の応援を呼び掛けている。東日本大震災の被災者が熊本にボランティアとして訪れ、励まされるという。